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産地 :シャブリ(ブルゴーニュ地方)

品種 :シャルドネ(Chardonnay)

生産者:ラ・ロッシュ(LaRoche)

醸造年:2012年

価格 :2,500円くらい

購入元:カーヴ・ミツクラ 

 

"シャブリ"というワイン好きでもない小学生でも言葉の響きくらいは聞いた事あるかな?というくらい有名な産地のワインを購入した。シャブリは括りとしてはブルゴーニュ地方という事になっているが、北はディジョンに始まり、南はリヨンに終わる所謂ブルゴーニュの主要産地とは違い、殆ど"飛び地"と言って良いくらい本家ブルゴーニュから離れた場所にある。白ワインの名醸地という事もあり、やはり緯度が高い場所にある。

 

シャブリというと、味わいは自動的に"辛口"の"シャルドネ100%の白ワイン"を示すらしい。ここがフランスワインの面白い所でもあり、とっつきにくい所で、産地名称(AOC)がそのままブドウの品種や味わいまで規定しているという点だ。

 

このシャルドネという品種、優等生的で使いやすいらしく、白ワイン用ブドウ品種の中でも非常に生産量が多い。また、シャンパーニュに使われる主要なブドウ品種という点も見逃せない。ちなみに、シャンパーニュを名乗るためには、シャルドネピノ・ノワールピノ・ムニエ(こいつがマイナーで良く分からん)の3品種のブレンドでなければならないとされているらしい。(実際には、細かい品種がもう少しあるようだが、主要なものは上記3品種らしい。

 

このシャルドネ、優等生的な品種というけれど、非常に特徴的な(個人的には余り好きではない)香りを持っているように思える。シャンパーニュでは主要品種として使われる事もあり、その個性というのが際立っている。シャルドネのワインを開けてグラスに注がれた瞬間、「ああ、シャンパーニュの香りだ・・」とすぐに分かるくらい特徴的な香りがある。(最初にシャンパーニュシャルドネを覚えたので、"刷り込み"のような形で記憶と結びついてしまった)なんと言って良いのか分からない、マイルドな香りなのだが、フルーティーな香りとも違うなんとも言えない香り。それは、オーストラリア産のものであっても、フランス産のものであっても、同じ様に特徴的な香りが出ている。産地というより、品種固有の香りということだろう。

 

この初シャブリも、同じような印象を受けた。シャブリが3つ銘柄が並んでいて、話を聞いて好きそうな奴を選んだ。確かに旨いとは思うのだけれど、どうもシャルドネの味が好きになれない感がある。それに比べると、一つ前のミュスカや、もっと前のソーヴィニョン・ブラン、更に前のミュスカデやアリゴテといった品種の方が私の好みには合っていた。

 

シャブリとは、シャルドネの辛口とはこういうものだよ、というのを体感する上では良かったと思う。他のシャブリにも比較のために手を伸ばすか?と言われると、返答に困ってしまうが・・。

ワイン備忘録2014/8/24

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産地 :アルザス地方

品種 :ミュスカ(Muscat)

生産者:マルセル・ダイス(Marcel Deiss)

醸造年:2011年

価格 :3,500円くらい

購入元:カーヴ・ミツクラ 

 

以前にお店のブログで紹介されていた、"マルセル・ダイス"というアルザスの有名(超有名?)生産者のワインを購入してみた。

 

アルザス地方はフランス・ワインの中でも異色の存在らしく、少なくとも初心者用のワインの本ではアルザス地方には多くのページは割かれていない。フランス・ワインと言うが、フランスの中で言うと北の外れに位置しているし、山を越えればすぐにドイツだ。ソーセージやザワークラウトを食す文化もあるらしく、文化圏としてはドイツに近いのではないか?ただし、主要な酒はビールではなくワインである点、かつての戦争の記憶からアルザス人はドイツ(人)を忌み嫌っている点は、フランスに近いと言えるだろう。(ミシュランの星の数が世界で最も多い美食の町としても知られているらしい。この点もドイツとは異なる点だ)

 

余談だが、どこかのドキュメンタリーで観たのが、アルザス人は人種的にはドイツ人であり、かつてはドイツ語を話していたが、ナチスの記憶からアルザス人はドイツ人に悪い感情を抱くようになったため、かつてのようにドイツ語を話す者は(若い層には)極めて少なくなってしまったという。一方で、(経済的な側面では)フランスより先進国であるドイツと近いという地理的な利点、そして人種的にドイツ人でありドイツ語を理解するという利点を活かしてドイツの経済的な恩恵に与りたいという現実的な問題も出てきているらしい。そして、ドイツ語が廃れた今、ドイツ語を話す習慣を取り戻そうという動きが少しずつ出てきていると・・。これは民族的アイデンティティーの再興というよりは、金の魔力に負けたというほうが正しいのだろう。


Alsace: bilingualism a thing of the past | European Journal - YouTube

 

話が大きく逸れてしまったが、お味の方は、

香り:ゲヴュルツトラミネールを思わせるような花のような香り。

味 :酸味と甘味がバランス良く調和された辛口。微発泡性のため、少し舌に刺激がある。

 

何と言っても花の様な香りが素晴らしいのと、非常に飲みやすい癖の無い味というのが特徴だ。アルザスワインは過去に何回か飲んだことがあるが、どれも非常に親しみやすい味で、「慣れてくれば旨く感じるよ」というものではなく、幼稚園児に飲ませても間違いなく旨いと感じるような万人受けする旨さだ。(決して悪口ではない)

 

有名生産者と言うこともあってお値段が少し張るのと、アルザスのワインは見たところ値段の下限が大きく、上限は小さいような印象がある。少し贅沢して、もう少し上のランクを狙ってもそこまで巨額の投資が必要ではない点が良い。

 

ゲヴュルツトラミネールに代表される、この花の様な素晴らしい香りはブドウの中②存在するモノテルペンに由来するらしい。植物の芳香成分の中で主要なものが、このテルペンというもので種類は多岐に渡る。それとは別に発酵の過程でエステル香が生まれたり、熟成の過程で樽香がついたりと、様々なプロセスで様々な香りが生成される。それを一つ一つ分解して、言語化していくのは容易な事ではないはずだ。

 

この難しい仕事を代行してくれているソムリエの方々には頭が下がる。

ワイン備忘録 2014/7/25

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産地 :ロワール地方

品種 :ソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon Blanc)

生産者:アンリ・ブルジョワ(Henri Bourgeois)

醸造年:2012年

価格 :2,000円ちょい

購入元:カーヴ・ミツクラ 

 

先日、ブルガリア人の同僚と一緒に参加したワイン会で供されたもので、特に気に入ったので購入したもの。

 

魅惑的な香り、バランスの取れた味、非常に素晴らしいワインだと思う。

 

私は、このロワールの白ワインというのが特に好きらしい。今まで、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌのミュスカデ、ヴーヴレイのシュナン・ブラン、サン・セールのソーヴィニョン・ブランといくつか試したが、どれも私の琴線に触れる味だった。

 

味の感想はと言うと・・清々しい香りの中に、マンゴー等の南国フルーツの様な魅惑的な香りで溢れていて、酸味は穏やかながら爽快な辛口が楽しめるワインといった感想だ。

 

このソーヴィニョン・ブラン特有の"青い香り"という表現が使われることが多いが、個人的には青さ、(針葉樹林の様な)清々しさよりは、南国特有の香があったように感じる。

 

この辺のワインの世界の共通言語と、個人的な感覚との間の巨大なギャップというのをいかに埋め合わせられるか、というのが一つ重要なテーマとなるだろう。自分だけ美味しいと思っても、他の人が美味しいと思わなければ、商売にならないからだ。

 

この点に関して、 (先方としては非常に迷惑だろうが)購入元のワイン屋に、

問い合わせを行っている。しかし、相手に迷惑がかかると思う一方、

通販でなくわざわざお店に訪れて購入しているという事の意義は、

通販では聞けない店頭でのスタッフとのやり取り、という点にある。

 

売る側も、買う側も、共通言語を理解したうえで交渉に臨むと、

欲しい結果が得られる可能性が大幅に上昇するのだろう

 

支離滅裂だが、今日はの辺で。

ワイン備忘録 2014/7/23

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産地 :ローヌ地方

品種 :シラー(Syrah)

生産者:ドメーヌ・ジョルジュ・ヴェルネ(Domaine Georges Vernay)

醸造年:2012年

価格 :2,500円前後

購入元:カーヴ・ミツクラ 

 

ローヌの赤が飲みたいという事でオススメしてもらった一本。

 

どうやら、このジョルジュ・ヴェルネという生産者、美味しいワインを作る事で有名らしい。私のような初心者は、まだ本を読みながら産地と品種の勉強をしている段階なので、生産者の方面にまで手が回らないが、ワインの良し悪しを判断するのには色々な切り口があるらしい。

 

お味の方は、フルーティーな香りもしないわけではないが、それよりも前面に出ている香りが、胡椒と肉の様な香りだ。集中して香りを嗅ぐと、フルーティーな香りもするし、飲み終わった後に樽香もする。しかし、前面に出ているのは胡椒の香りと、その裏に鶏肉の様な、ブドウから作られる飲み物とは思えないような香りがしている。

 

肉の様な香りと書くと、さぞかし不快なものに聞こえるが、決して悪い香りではない。"チキンの黒胡椒焼き"を思い浮かべるような、魅力的な香りだ。ただブドウ酒からこの香りがするのに最初は戸惑うが・・。

 

香りが余りにも鮮烈なため、味の方に注意が中々行きづらい。味の方は、辛口で甘味が少ないせいか、酸が強く感じられる一方、渋みの方は穏やかだ。飲み口は円やかで飲みやすい。

 

こんな個性的なワインは初めてだ!今回は料理との食べ合わせをしていないが、これはチキンとの相性は抜群に違いない。

 

このジョルジュ・ヴェルネという生産者は、ヴィオニエという気難しく、香り高い品種100%で作られるコンドリューの生産者として有名なようだ。コンドリューと言うと、一本あたりの価格が6,000円~と、非常にアンリーズナブルなのだが、ジョルジュ・ヴェルネのヴィオニエ100%のワインは3,990円と割とお値打ちな値段で買えることが分かった。今回のワインも面白かったし、次はヴィオニエを購入してみたい。

 

また、ローヌ地方は北はリヨン、南はアヴィニョンという大きい町を中心にそれぞれ特色あるワイン畑が広がっているようだ。特に、北のエルミタージュ地区と、南のシャトー・ヌフ・ドゥ・パプ地区のワインは是非とも(そう遠くない内に)試したいものだ。

 

今回は、この辺で。

水の話 - 序章

今回、まだまとめる準備が出来ていないので、

この分野に興味を持ったきっかけ、

及び今後のネタ帳として使えそうなリンクだけ貼っておく。

 

随時、更新していく予定。

 

(1) Financial Times - A world without water:

http://www.ft.com/cms/s/2/8e42bdc8-0838-11e4-9afc-00144feab7de.html

 

この分野に興味を持つきっかけを与えてくれた記事。

様々な統計データを元に、示唆に富む分析をしてくれている。

何度も読むべし。

 

Financial Times は無料登録では月に8記事しか読めないので、

正式に有料登録をしようか考えている。

 

(2) 2030 Water Resources Group(2030水資源グループ?):

 

http://www.2030wrg.org/

 

水資源の需給のギャップが2030年には40%以上になると予想されており、

それに伴う経済的・環境的・政治的問題に対処するために作られた中立の団体、

とのこと。

 

いくつかのレポートが出されており、これを全て読むことが出来れば、

Water Scarcity(水資源の不足)問題について相当詳しくなれるだろう。

 

http://www.2030wrg.org/knowledge-tools/

 

しかし、マッキンゼーと協力して作ったレポートだけ見ても、

200ページ(付録含む)近くある。これらを全て読むのは中々難しい。

また、英語力の限界と言う問題もあるが、ここは訓練と割り切るか。

(あまりにもハイレベルだと訓練にならないが・・)

 

かなり大規模なプロジェクトであろうに、この件に関して、

信頼の置ける日本語のソースが見つからないのが悲しい。

 

今回はこの辺で。

ワインの備忘録 2014/7/20

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産地 :オーストリア

品種 :グリューナー・フェルトリーナー(Gruner-Veltliner)

生産者:ヒルシュ(Hirsch)

醸造年:2012年

価格 :2,000円前後

購入元:カーヴ・ミツクラ 

 

夏向けにオススメのサッパリ辛口のワインという事で購入。

 

グリューナー・フェルトリーナーという品種は初めて聞くが、オーストリアのワインには良く使われるものらしい。

 

肝心のお味の方は・・・香りも味も、何となくリースリングに似ている気がする。フルーティーな香り、爽やかな酸、そして酸の裏にしっかりした甘味がある。

 

辛口ワインと謳われるワインをいくつか飲んだ事があるが、日本酒やビールで言うところの辛口とは趣向が異なるように感じる。ワインで辛口と言う場合は、酸がしっかりあるため、甘味はあるけど「甘すぎない」と言ったニュアンスの方が近いと思う。一部の日本酒やビールの様に、ひたすら甘味が無くて辛いわけではない。

 

この酸味というのが料理との食べ合わせを考える上で非常に重要な要素になる点も見逃せない。鶏肉の炒め物と一緒に飲んだが、鶏肉との相性は抜群だった。別々に楽しむよりも明らかに味が膨らむのが良く分かる。

 

魚も良さそうだが、魚は自分で調理するのが気が引ける(手に臭いがつく)ので、いつも魚料理を作るのを先延ばししてしまう・・・。

 

非常に素直な味で癖が無いので、料理との食べ合わせのバリエーションは広そうだ。また次の機会にでも、魚料理等と組み合わせて楽しみたい。

 

今回はこの辺で。

ワインの備忘録 7/18

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記念すべきワイン備忘録の第一回。

 

産地 :オー・メドック(Haut-Medoc)

品種 :カベルネ・ソーヴィニョン55%、メルロー40%、カベルネ・フラン

生産者:シャトー・セニャック(Chateau Senilhac)

醸造年:1999年

価格 :2,000円~2,500円(15年熟成でこれはお値打ち!)

購入元:カーヴ・ミツクラ(名古屋市のワイン屋さん)

 

ボルドー左岸、オー・メドック(Haut-Medoc)のシャトー・セニャック(Chateau Senilhac)の1999年物です。15年近く熟成されています。

 

公式情報によると、品種はカベルネ・ソーヴィニョン55%、メルロー40%、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド残りといった構成。

 

ボルドー左岸という事で、教科書的にカベルネ・ソーヴィニョン主体のものが飲みたかったので、幾つか勧めてもらった中で一番カベルネの割合が多かったこれを選んだ。(熟成年数も15年と魅力的)

 

左岸はカベルネ主体と聞いていたので、カベルネ100%なんてあるのかな?と期待していたが、今ではカベルネ55%でも少なくない方らしい。シニア・ソムリエをされている店長さん曰く、ボルドー左岸でも昔のようにカベルネ80%のものは少なくなっていると聞いた。理由は、カベルネの割合が多いと、酸味と渋みが強くなりすぎるからだそうな。それに比べて、メルローはお利口な万能選手であるため、使いやすいのだと言う。(確かに、フランスの栽培品種ランキングを見ても、メルローが群を抜いて多いことが分かる。)

 

上述の理由により、"売れ線"のメルローが幅を利かせており、ボルドー左岸(メドックサンテステフ等)がカベルネ主体、ボルドー右岸(ポムロール、サンテミリオン等)がメルロー主体という教科書的な理解は今や昔の話だそうだ。(もう一つ紹介してもらったメドック地区のワインは、カベルネよりもメルローの方が多かった。)なお、元々メルロー主体の右岸の傾向は変わっていないそうだ。

 

ところで、肝心のお味の方はと言うと・・・フルーティな香りの中に、何かミントの様な清々しい香りもあり、複雑で筆舌に尽くしがたい。味も、酸味、渋み、甘味が一体となってトゲの無いまろやかな飲み口であった。

 

唯一苦労したのは、(店長さんにも釘を刺されたが)"飲む温度"だ。今のような真夏では、冷房を入れても室内は25℃~ある。夏の赤ワインは、冷えすぎても、温まりすぎてもダメ。丁度良い温度を模索するのに、中々苦労した。舌でやや冷たい、ひんやりと感じるくらいの温度が、味も香りも抜群であった!

 

なお、(飲む温度ではなく)保管する温度について補足すると、1~2週間保管するだけなら室温が30℃くらいあっても全く問題無いらしい。一方、直射日光や蛍光灯の紫外線の方が、温度よりも劣化が激しいらしい。(私は、今まで保管する温度に神経質になりすぎていた感がある。)

 

何にせよ、ボルドーボルドーと分かって飲むのは今回初めてだが、初っ端から素晴らしいワインに当たってしまった。これでもボルドーの入口(お値段的にも)というのだから、ボルドーの出口がどうなっているのか私には全く想像がつかない。

 

料理との食べ合わせに関して、鶏肉や豚肉とは好相性とは言えなかったが、やはり牛肉のステーキとの相性は抜群だった。チーズも恐らく、抜群だろう。

 

そして、開栓初日が一番美味しかった。これは、既に熟成していたため、開けたら枯れていったということなのだろうか?ワインによっては開栓後2~3日後の方が美味しいと感じた事もあった。ここについても、今後検証したい。

 

素晴らしい体験をありがとう。今回はこの辺で。